この記事でわかること

  • 住所変更登記義務化の概要(いつから・何が変わったか)
  • 相続登記義務化(2024年4月)との違い
  • 対象者と2年の期限のカウント方法
  • 罰則(過料5万円以下)の詳細
  • スマート変更登記(事前申出制度)の使い方
  • 不動産売却と住所変更登記の関係

2024年4月に「相続登記の義務化」が施行されましたが、2026年4月1日からはさらに一歩進んで**「住所・氏名変更登記の義務化」**が始まりました。引越し後に住所変更登記を怠ると、最大5万円の過料が科される可能性があります。

本記事では、制度の概要・対象者・手続き方法・便利な「スマート変更登記」まで、実際に必要な情報をわかりやすく解説します。


住所変更登記義務化の概要

何が義務になったのか

不動産の登記記録(登記簿)には、所有者の住所・氏名が記載されています。引越しや結婚・離婚などで住所・氏名が変わった場合、登記記録もあわせて更新する必要があります。

これまでは「更新すべき」という義務はなく、実際には長年放置されているケースが多くありました。2026年4月1日から、この更新が法律上の義務となりました。

義務の内容(不動産登記法第76条の5):

  • 住所・氏名を変更した場合、変更から2年以内に住所変更登記を申請する義務
  • 正当な理由なく申請しない場合、5万円以下の過料が科される可能性(不動産登記法第164条第2項)

相続登記義務化との違い

2024年4月に施行された相続登記義務化と混同されやすいですが、別の制度です。

項目相続登記義務化(2024年4月〜)住所変更登記義務化(2026年4月〜)
対象相続・遺贈で不動産を取得した場合所有者の住所・氏名が変わった場合
期限取得を知った日から3年以内変更から2年以内
過料10万円以下5万円以下

相続登記を済ませた後でも、その後引越した場合は別途住所変更登記が必要です。


対象者と期限のカウント方法

誰が対象か

日本国内に不動産を所有しているすべての人が対象です。法人も含まれます。

特に以下の方は早急な確認が必要です。

  • 過去に引越したが、住所変更登記をしていない方
  • 結婚・離婚で氏名が変わったが、氏名変更登記をしていない方
  • 相続登記は済ませたが、その後引越した方

2年の期限はいつから数えるか

状況起算日
2026年4月1日以降に住所変更した場合変更日から2年以内
2026年4月1日より前にすでに住所変更していた場合施行日(2026年4月1日)から2年以内(2028年3月31日まで)

施行前からすでに住所変更していた未登記の方は2028年3月31日までに手続きが必要です。一方、2026年4月1日以降に住所変更した方は「変更日から2年以内」が期限になるため、2028年3月末より先の期限になることもあります(例:2027年1月に転居した場合の期限は2029年1月)。施行後の変更と施行前の変更で期限が異なる点に注意してください。


罰則(過料5万円以下)について

過料とはどういうものか

「過料」は刑罰(前科がつく)ではなく、行政上の制裁金です。ただし、裁判所が科す金銭的なペナルティであり、放置することはできません。

相続登記義務化の過料(10万円以下)より低い水準(5万円以下)ですが、義務であることに変わりはありません。

すぐに過料が科されるわけではない

義務化されたからといって、2年を1日でも過ぎると即座に過料が科されるわけではありません。法務局が義務違反の事実を把握した上で、裁判所に通知・決定するプロセスが必要です。

ただし、「バレなければいい」という考えは危険です。不動産売却時の登記手続きの際などに発覚するリスクがあります。


スマート変更登記(事前申出制度)とは

自動更新の仕組み

「スマート変更登記」は、2026年4月1日から開始された事前申出制度です。法務局に一度申出をしておくと、マイナンバーカードの住所情報と連携し、住所変更時に法務局が職権で自動的に住所変更登記を行ってくれます。

引越のたびに自分で登記申請する手間が完全になくなります。

申出方法

  1. 申出先の法務局に必要書類を提出する
  2. マイナンバーカードの情報との連携を行う
  3. 以降の住所変更は自動反映

詳細な申請方法・必要書類は法務局の窓口またはホームページでご確認ください。

注意点

  • 事前申出の登録が必要(申出をしないと自動化されない)
  • 氏名の変更(結婚・離婚等)は別途手続きが必要な場合がある

不動産売却と住所変更登記の関係

売却前に住所変更登記が必要

不動産を売却する際、登記上の住所が現在の住所と異なる場合は、売却手続きの前に住所変更登記を完了させる必要があります

司法書士や法務局が登記上の住所と売主の現住所の一致を確認するため、住所が違ったまま売買契約を進めることはできません。

売却時に発覚すると手続きが遅れる

売却活動を始めてから「登記上の住所が古いままだった」と気づくケースが少なくありません。住所変更登記には通常1〜2週間程度かかるため、売却タイミングに影響する可能性があります。

売却を予定している方は、今すぐ登記上の住所を確認することをお勧めします。

確認方法:法務局やインターネット登記情報サービスで自分の不動産の登記情報を取得し、住所・氏名の記載を現在の情報と照合する。


住所変更登記の手続き方法

自分でやる場合

  1. 管轄の法務局に「登記申請書」を提出
  2. 必要書類:住民票(現在の住所が記載されたもの)、固定資産評価証明書(場合による)
  3. 登録免許税:不動産1件につき1,000円

複数の不動産を所有している場合は件数分の費用がかかります。

司法書士に依頼する場合

書類の準備・申請を代行してもらえます。費用は1〜3万円程度が目安です(不動産の数や複雑さによって異なります)。売却に合わせて依頼するとまとめて対応してもらえて効率的です。


まとめ・無料査定を試してみる

住所変更登記の義務化は、不動産を持つすべての方に関係する重要な制度変更です。引越後に放置している方は、過料リスクを避けるためにも早めの対応をお勧めします。

スマート変更登記(事前申出制度)を活用すれば、今後の引越にも自動対応でき、手続きの手間が大幅に軽減されます。

不動産売却をお考えの方は、登記上の住所確認を売却準備の第一歩にしましょう。

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この記事の3点まとめ

  • 2026年4月1日から住所変更登記が義務に:引越や氏名変更から2年以内に登記申請しないと5万円以下の過料が科される可能性がある。2026年4月以前の未登記分も施行日から2年以内(2028年3月末まで)に対応が必要。
  • スマート変更登記で自動化できる:法務局に事前申出をすれば、マイナンバーカードと連携して住所変更時に職権で自動更新される。一度登録すれば将来の引越にも対応するため、早めの申出が有効。
  • 売却前に必ず住所変更登記を確認:登記上の住所と現住所が異なる場合、売却手続きが進められない。売却活動を始める前に登記情報を確認し、必要なら司法書士に依頼してまとめて対応することを推奨する。