この記事でわかること
- 不動産査定の3つの種類と特徴の違い
- 査定申込から結果受取までの流れ
- 査定額と実際の売却価格の違い
- 複数社に査定を依頼すべき理由
- 査定額を少しでも上げるための実践的なコツ
- 買取査定と仲介査定の使い分け
不動産査定の種類:3つの方法
不動産の査定には大きく分けて3種類の方法があります。それぞれの特徴を理解して、状況に応じた活用が重要です。
1. AI・オンライン簡易査定
最近増えているのが、物件情報を入力するだけで瞬時に概算価格が出るAI査定です。
メリット:
- 24時間いつでも試せる
- 個人情報の入力が最小限
- 相場感を把握するための「入口」として最適
デメリット:
- 精度は低い(実際の価格と20〜40%乖離することも)
- 個別の物件状態(リフォーム歴・日当たり・周辺環境)が反映されない
- あくまで「参考値」に過ぎない
AI査定は「だいたいどのくらいの価格帯か」を確認する最初のステップとして活用し、そこからより精度の高い査定に進む流れが一般的です。
2. 訪問査定(机上査定を含む)
不動産会社の担当者が実際に物件を訪問し、内外装の状態・日当たり・周辺環境などを確認した上で査定価格を算出する方法です。
メリット:
- 最も精度が高い
- 物件の個別状態が価格に反映される
- 担当者と直接話せるため、売却戦略の相談もできる
デメリット:
- 日程調整・立会いが必要
- 結果が出るまで数日かかる
訪問査定には「机上査定」と「現地調査」の2段階があります。机上査定は書類のみで算出するため手軽ですが、訪問査定のほうが正確な価格を把握できます。
3. 一括査定サービス
1回の入力で複数の不動産会社に同時に査定依頼できるサービスです。SUUMOやHOME’Sの査定機能、または専門の一括査定サービスが利用できます。
メリット:
- 複数社の査定額を一度に比較できる
- 会社ごとの価格差を把握できる
- 競争原理が働き、良い条件が引き出しやすい
デメリット:
- 複数の不動産会社から連絡が来る
- 質の異なる会社が混在することがある
一括査定は比較検討の効率が圧倒的に高いため、不動産売却の入口として非常に有効です。
査定の流れ:申込から結果受取まで
仲介査定の一般的な流れ
STEP 1:査定申込(オンラインまたは電話) 物件の基本情報(所在地・面積・築年数・リフォーム歴など)を入力して申込。
STEP 2:机上査定(1〜2営業日) 書類だけで概算価格を算出。「この価格帯で売れそうです」という情報提供が行われる。
STEP 3:現地調査・訪問査定(30分〜1時間) 担当者が物件を訪問。日当たり・眺望・騒音・周辺施設・内装状態などを確認。
STEP 4:査定書の受取(1〜3営業日後) 査定価格の根拠とともに書面で結果が届く。複数社から受け取り、比較する。
STEP 5:媒介契約の締結 査定を依頼した会社の中から1社(または複数社)と媒介契約を結ぶ。
STEP 6:売り出し・成約 物件情報の掲載から内覧対応、価格交渉、売買契約、引渡しへ。
買取査定の流れ(仲介と比較)
| ステップ | 仲介査定 | 買取査定 |
|---|---|---|
| 申込 | オンライン・電話 | オンライン・電話 |
| 査定結果 | 1〜3営業日 | 即日〜2営業日 |
| 内覧・交渉 | 複数の買主対応が必要 | 1回で完結 |
| 売却完了まで | 平均3〜6ヶ月 | 最短1〜2週間 |
| 確実性 | 不確実 | ほぼ確実 |
査定額と実際の売却価格の違い
不動産を初めて売る方の多くが誤解しているのが、「査定額=売却価格」ではないという点です。
仲介査定の場合
仲介の査定額は「この価格帯なら売れるだろう」という見込み価格です。実際の売却では:
- 買主からの値引き交渉で査定額より3〜10%下がるケースが多い
- 売れ残ると価格を下げざるを得ない
- 市場環境の変化(金利上昇・需要低下)で売却価格が変わることもある
そのため、「査定額3,000万円」でも実際には2,700〜2,850万円での成約になることは珍しくありません。
「高値査定」に注意
不動産会社が媒介契約を取るために意図的に高い査定額を提示するケース(いわゆる「高値査定」)があります。最初は高い査定額に喜んでも、実際には売れず、何ヶ月も経ってから値下げを促されるというパターンです。
複数社の査定額を比較し、大幅に高い査定額を提示した会社には理由を確認することが重要です。
買取査定の場合
買取査定は「査定額=実際の買取価格」です。提示された金額で確実に売却できる点が最大の特徴です。価格は市場価格の70〜80%程度になりますが、不確実性がなく、スケジュールが明確です。
複数社に査定を依頼すべき理由:最大20〜30%の差
同じ物件でも、不動産会社によって査定額は大きく異なります。
実際にある価格差の規模
| 会社 | 査定額 |
|---|---|
| A社 | 2,800万円 |
| B社 | 3,100万円 |
| C社 | 3,400万円 |
このように最大20〜30%の差が生じることがあります。上記の例では、A社だけに査定を依頼していた場合、3,400万円で売れた可能性を逃してしまうことになります。
なぜ差が生まれるのか
- 査定方法・根拠の違い:取引事例の選び方、エリアへの精通度
- 会社の方針の違い:積極的に売りたい物件は高く評価する傾向がある
- 担当者のスキル差:同じ会社でも担当者によって差が出ることも
1社だけの査定では「これが相場」と信じてしまいがちです。最低3社、理想は5〜6社への一括査定依頼が適正価格の把握に不可欠です。
査定額を少しでも上げるための実践的なコツ
査定額は物件の状態・情報提供の質によっても変わります。以下の準備をしておくことで、査定額にプラスの影響が期待できます。
コツ1:清掃・整理整頓で第一印象を上げる
訪問査定の担当者も人間です。清潔感のある物件は心理的にプラスの評価を受けやすい傾向があります。
- 特に水回り(キッチン・浴室・トイレ)を念入りに清掃
- 不要な荷物を片付け、部屋を広く見せる
- 窓を拭いて採光を最大化する
- 消臭(タバコ・ペット・生活臭)
費用をかけたリフォームより、清掃・整理整頓のほうが費用対効果が高いことが多いです。
コツ2:書類・情報を事前に準備する
査定担当者に正確な情報を提供することで、プラス要因を漏れなく評価してもらえます。
準備しておくべき書類・情報:
- 登記簿謄本(法務局またはオンラインで取得)
- リフォーム・修繕の履歴(いつ・どこを・いくらで施工したか)
- 固定資産税の納税通知書
- 管理規約・管理費の明細(マンションの場合)
- 購入時の売買契約書・重要事項説明書
リフォーム歴は特に重要で、「10年前に屋根を全面葺き替え」「5年前にキッチンをリフォーム」といった情報は査定プラス要因になります。
コツ3:周辺の売出・成約事例を調べておく
査定を受ける前に、自分でも相場を調べておくことで、担当者との会話の質が上がります。
- SUUMO・HOME’Sで近隣物件の売出価格を確認
- 国土交通省の「土地総合情報システム」で成約事例を確認(無料公開)
- 「この物件はXX万円で成約していましたが、それとの比較ではどうですか?」という質問で根拠を引き出せる
コツ4:複数社を競わせる
「他の会社では◯◯万円の査定でした」という情報を共有することで、各社が適切な価格を提示しようというインセンティブが生まれます。ただし、根拠のない数字を言うのではなく、実際に受けた査定額を伝える形が誠実です。
買取査定 vs 仲介査定:どちらを選ぶべきか
仲介査定を選ぶべきケース
- 売却価格を最大化したい
- 半年以上の時間的余裕がある
- 物件の状態が良く、内覧対応に問題がない
- 売却時期を柔軟に選べる
買取査定を選ぶべきケース
- 急いで売りたい(相続・離婚・転勤など期限がある)
- 築古・訳あり物件で仲介での売却が難しい
- 内覧対応・価格交渉のストレスを避けたい
- 売却価格より確実性・スピードを優先したい
両方受けることが最善策
実は「仲介査定だけ」「買取査定だけ」という二択ではなく、両方の査定を受けて比較するのが最も賢いアプローチです。
仲介の査定額(目標価格)と買取の査定額(最低保証価格)の両方を把握した上で、「仲介で◯ヶ月試してダメなら買取で確実に決める」という戦略が立てられます。
まとめ
不動産査定は売却成功の出発点です。
- AI査定は「相場感」の把握に活用し、正確な価格は訪問査定で確認する
- 最低3社(できれば5〜6社)に査定を依頼し、価格差(最大20〜30%)を比較する
- 査定額を上げるには、清掃・書類準備・情報提供の質が鍵
- 仲介査定と買取査定の両方を受けることで、判断の幅が広がる
まずは複数社への一括査定申込から始めてみてください。複数の不動産会社への無料査定一括申込が可能です。