この記事でわかること
- 仲介売却の全7ステップと各所要期間
- 準備すべき書類の完全リスト
- 売買契約書の重要チェックポイント
- 引き渡しまでに注意すべき落とし穴
- 買取の流れとの比較(最短1ヶ月の仕組み)
仲介売却の全体スケジュール
不動産を仲介で売却する場合、全体で3〜6ヶ月かかるのが標準的です。
| ステップ | 内容 | 所要期間 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 査定依頼・比較 | 1〜2週間 |
| STEP 2 | 媒介契約の締結 | 数日 |
| STEP 3 | 売り出し・広告掲載 | 即日〜1週間 |
| STEP 4 | 内覧対応・価格交渉 | 1〜3ヶ月 |
| STEP 5 | 売買契約の締結 | 数日 |
| STEP 6 | 引き渡し準備 | 1〜2ヶ月 |
| STEP 7 | 残代金決済・引き渡し | 1日 |
STEP 1:査定依頼・比較(1〜2週間)
まず複数の不動産会社に査定を依頼します。1社だけでなく3社以上に依頼することが重要です。査定額は会社によって20〜30%異なることがあるため、比較することで適正価格を把握できます。
査定の種類
| 種類 | 特徴 | 精度 |
|---|---|---|
| AI査定(机上査定) | ネットで即時算出 | 低〜中 |
| 訪問査定 | 担当者が現地確認 | 高 |
最終的な売り出し価格を決めるには訪問査定が必要です。AI査定は「おおよその相場感をつかむ」段階で活用しましょう。
STEP 2:媒介契約の締結(数日)
査定が完了したら、売却を依頼する不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約の3種類
| 契約形態 | 複数社への依頼 | 自己発見取引 | レインズ登録義務 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 不可 | 不可 | 5日以内 | 業者に全任せしたい |
| 専任媒介 | 不可 | 可 | 7日以内 | バランスよく任せたい |
| 一般媒介 | 可 | 可 | 義務なし | 複数社に競わせたい |
人気物件や強みのある業者が見つかった場合は専任・専属専任、業者選びに自信がない場合は一般媒介で複数社に任せる方法もあります。
STEP 3:売り出し・広告掲載(即日〜1週間)
媒介契約後、不動産会社がSUUMO・アットホームなどのポータルサイトや折り込みチラシで物件を広告します。
売り出し価格の設定が重要
査定額をそのまま売り出し価格にする必要はありません。多少高めに設定して交渉余地を持たせる方法もありますが、高すぎると内覧件数が減り売却期間が長期化します。
目安として、査定額の5〜10%上乗せが実務的な範囲です。
STEP 4:内覧対応・価格交渉(1〜3ヶ月)
売り出し後、買主候補が内覧に来ます。この期間が最も長くかかります。
内覧対応のポイント
- 清掃・整理整頓を徹底する(第一印象が成約率に直結)
- できれば売主は不在で仲介担当者に案内を任せる
- 事前に付帯設備の状態を確認しておく
価格交渉への対応
買主から値下げ交渉が来ることは珍しくありません。事前に「ここまでなら下げられる」という下限を決めておきましょう。
STEP 5:売買契約の締結(数日)
買主が決まったら売買契約を締結します。契約時には手付金(売却価格の5〜10%程度)を受け取ります。
売買契約書の重要チェックポイント
1. 引き渡し日・残代金決済日 引き渡しまでに転居・荷物搬出が完了できる日程か確認します。
2. 瑕疵担保(契約不適合)責任の範囲と期間 雨漏り・シロアリ・設備不具合など、引き渡し後に発覚した不具合について売主が責任を負う範囲と期間が記載されます。個人売主の場合は3ヶ月程度が多いですが、交渉で変動します。
3. ローン特約の有無 買主が住宅ローン審査に落ちた場合に契約を白紙解除できる条項です。ローン特約がある場合、審査落ちによるキャンセルリスクがあります。
4. 付帯設備の引き渡し範囲 エアコン・照明・カーテンレール等、何を残して何を撤去するかを「付帯設備表」で明確にします。
5. 手付金の額と解除条件 手付金が低すぎると買主が気軽にキャンセルするリスクがあります。売却価格の5〜10%程度が目安です。
STEP 6:引き渡し準備(1〜2ヶ月)
契約から決済まで、通常1〜2ヶ月かけて準備を進めます。
この期間にすること
売主側の準備:
- 住宅ローンの残債確認と金融機関への連絡
- 抵当権抹消の手続き準備(司法書士に依頼)
- 転居・引っ越しの手配
- 付帯設備の動作確認
- 公共料金の解約・名義変更手配
確認が必要な書類:
| 書類 | 目的 |
|---|---|
| 登記識別情報(権利証) | 所有権移転に必要 |
| 実印・印鑑証明書 | 契約・決済時 |
| 固定資産税納税証明書 | 精算のため |
| マンションの場合:管理規約・修繕積立金残高証明 | 引き継ぎのため |
STEP 7:残代金決済・引き渡し(1日)
決済当日は銀行や司法書士事務所に集まり、残代金の受け取りと所有権移転登記を同時に行います。
当日の流れ
- 司法書士が登記書類を確認
- 買主が残代金を振り込み
- 売主が鍵・書類を引き渡し
- 固定資産税・管理費等の精算
- 登記申請(司法書士が代行)
仲介vs買取:流れの比較
買取の場合の流れ(最短1ヶ月)
| ステップ | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 査定 | 複数社比較(1〜2週間) | 1〜3社(最短即日) |
| 売り出し | 必要(1〜3ヶ月) | 不要 |
| 内覧 | 複数回 | なし〜1回 |
| 価格交渉 | あり | 少ない(査定価格で提示) |
| 契約〜決済 | 1〜2ヶ月 | 最短1〜2週間 |
| 仲介手数料 | 発生(3%+6万円+税) | ゼロ |
| 合計期間 | 3〜6ヶ月 | 最短1ヶ月 |
買取では「内覧対応なし・価格交渉ほぼなし・仲介手数料ゼロ」という3つのメリットがある代わりに、売却価格は市場価格より低くなります(目安:市場価格の70〜85%)。
こんな方は買取フローが向いています
- 離婚・相続・転勤など急ぎの事情がある
- 築古・訳あり物件で仲介が難しい
- 内覧対応が難しい(賃貸中・在宅ワーク等)
- 仲介手数料を節約したい
- 売却期間を確定させたい(資金計画が必要)
まとめ・急ぎの方は買取フローをチェック
仲介売却の全ステップは7〜8ステップ・3〜6ヶ月が標準的なスケジュールです。一方、買取なら最短1ヶ月でこの流れを大幅に短縮できます。
まず買取査定で価格を確認してから、仲介と比較して判断するのがスマートな進め方です。