この記事でわかること

  • 賃貸に出す場合・売却する場合のメリット・デメリット
  • どちらが「得」かを判断するための基準
  • あなたの状況に合った選び方のフローチャート
  • まず査定で「売却額」を把握することの重要性

「賃貸か売却か」で悩む人が増えている理由

親から相続した実家、転勤で空き家になったマンション、離婚後に残った自宅——こうした「使わない不動産」をどうすべきか悩む方が増えています。

「売ってしまったらもったいない」「賃貸に出せば毎月収入になる」という考えは自然ですが、実際には賃貸が必ずしも得とは限りません。状況によっては売却のほうがはるかに合理的なケースもあります。

この記事では、賃貸と売却を多角的に比較し、あなたに合った判断ができるよう解説します。


賃貸のメリット

1. 毎月の家賃収入が得られる

最も大きなメリットは、継続的なキャッシュフローです。たとえば、月額10万円の家賃収入が入れば、年間120万円の収益になります。

2. 将来の選択肢が残る

賃貸に出しても、物件の所有権は手放していません。「相場が上がったタイミングで売却する」「子供が将来使う」という選択肢を残しておけます。

3. 不動産価値の上昇を享受できる

エリアによっては、10年後・20年後に不動産価値が上昇するケースもあります。保有し続けることで値上がり益を狙える可能性があります。

4. 相続税対策になる場合がある

賃貸用に供している不動産は、相続税評価額が下がる場合があります(貸家建付地の評価減など)。税務上のメリットが生まれることもあります。


賃貸のデメリット

1. 管理コストが継続的にかかる

家賃収入の見た目は良くても、以下のコストが継続的に発生します:

コスト項目目安
管理委託費家賃の5〜10%
固定資産税物件による(年10〜50万円程度)
火災保険料年1〜5万円程度
修繕積立・実費年5〜20万円(築年数による)

月10万円の家賃収入でも、これらを差し引くと手取りは7〜8万円程度になることが多いです。

2. 空室リスクがある

入居者が見つからない期間は収入ゼロです。特に地方・築古・利便性の低い物件は空室期間が長くなりがちです。

3. 修繕・設備交換の費用負担

入居者が退去するたびに、クリーニング・クロス張替え・設備修理などの費用が発生します。築年数が古い物件ほど、給湯器・エアコン・水回りの交換リスクが高まります。

4. 立退き問題のリスク

借地借家法により、賃借人の権利は強く保護されています。「やっぱり自分で使いたい」「売却したい」と思っても、入居者に退去してもらうのは容易ではありません。

5. 確定申告・税務の手間

家賃収入は不動産所得として毎年確定申告が必要です。経費計算・減価償却の計算など、それなりの手間がかかります。


売却のメリット

1. まとまった資金を一括で得られる

売却すると、数百万〜数千万円の資金を一度に手にできます。住宅ローンの返済、新居の購入資金、老後の資金など、まとまった使い道がある場合は売却が有利です。

2. 維持費・管理の手間がゼロになる

売却後は固定資産税・修繕費・管理費・保険料すべてが不要になります。精神的な負担からも解放されます。

3. 市場が良いうちに確実に現金化できる

不動産市況は変動します。「今が高い」と思うなら、売り時を逃さず売却するのが合理的です。市況が下がってから後悔するケースも少なくありません。

4. 3,000万円特別控除が使える場合がある

マイホーム(居住用財産)の売却には、3,000万円の特別控除が適用できます(要件あり)。この控除は賃貸に出した後は利用できなくなる場合があるため、タイミングが重要です。


売却のデメリット

1. 将来の選択肢を失う

一度売却すると、その物件は戻ってきません。「やっぱり残しておけばよかった」という後悔が生まれる可能性はあります。

2. 売却益に税金がかかる場合がある

保有期間5年以下の短期譲渡所得は税率が高く(約39%)、5年超の長期譲渡所得でも約20%の税金がかかります(居住用の特別控除・軽減税率の適用条件あり)。

3. 仲介での売却には時間がかかる

通常の仲介売却は平均3〜6ヶ月かかります。急ぐ場合や確実に売りたい場合は、買取という選択肢があります(買取は最短1〜2ヶ月で現金化可能)。


どちらを選ぶべきか:判断のフローチャート

以下の質問に答えることで、あなたに適した選択肢が見えてきます。

Q1. 今すぐまとまった資金(500万円以上)が必要ですか?はい → 売却を優先検討

Q2. 不動産の管理・修繕・確定申告など、継続的な手間を許容できますか?いいえ → 売却を優先検討

Q3. 物件の立地・状態から、入居者が継続的に見つかる見込みはありますか?いいえ → 売却を優先検討

Q4. 将来、自分や家族がその物件に戻る可能性はありますか?はい → 賃貸を検討

Q5. 売却した場合の金額(査定額)を把握していますか?いいえ → まず査定を受けて売却額を確認してから判断する


「賃貸が得」な典型ケース

  • 都心・人気エリアの物件で、空室リスクが低い
  • 築浅で当面大きな修繕が不要な物件
  • 将来的に子供や家族が使う予定がある
  • 税務上のメリット(相続税対策等)が明確にある

「売却が得」な典型ケース

  • 地方・郊外で空室リスクが高い
  • 築古で修繕費がかさむ見込みがある
  • まとまった資金需要(住み替え・介護費用等)がある
  • 管理の手間・精神的負担を避けたい
  • 3,000万円特別控除を使えるうちに売りたい(賃貸に出すと控除が使えなくなる場合がある)

まず「売却したらいくらか」を把握してから判断しよう

賃貸か売却かを正しく判断するには、「売却したらいくらになるか」を先に把握することが不可欠です。

売却額がわからないまま「とりあえず賃貸」を選ぶと、数年後に「あのとき売っておけばよかった」という後悔につながるケースが少なくありません。

たとえば、賃貸で年間100万円の手取り収益が見込めたとしても、売却して1,500万円の資金を得て運用した場合と比較すると、どちらが合理的かは個々の状況によります。まず数字を把握することが判断の出発点です。

複数の不動産会社への無料査定一括申込が可能です。まず買取査定を受けて「売却額の目安」を把握した上で、賃貸か売却かを検討してください。